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住宅ローンの種類とメリット・デメリット
今回は、住宅ローンに関する知識をお伝えする。
賢い家づくりシリーズです。
住宅ローンの種類に関してお伝えします。
住宅購入を考えるとき、多くの人が避けては通れないのが住宅ローンです。
金利の高さ・低さ、どの金利タイプを選ぶのか、
どこの金融機関で組むのか、審査は無事に通るのかなど、悩みどころが多いです。
また、「夫婦のうちどちらが組むのか」「夫婦でお金を出した場合は
住宅の名義をどうするか」なども悩ましいポイントです。
共働き世帯が過半数を占める現在、
夫婦名義で住宅ローンを組む選択肢もごく一般的です。
ただし、夫婦で住宅ローンを分担する際は、
税金や団信の取り扱いなど、知っておきたい注意点がいくつかあります。
そこで今回は、共働き世帯向けの「住宅ローンの種類」にスポットを当てて、
単独ローン・ペアローン・収入合算など、何種類かある住宅ローンの契約方法と、
それぞれのメリット・デメリットについてお伝えします。
◆①単独ローンのメリットとデメリット
単独ローンとは、夫婦のうちの夫もしくは妻の
どちらかが契約者となって住宅ローンを組む方法です。
住宅ローンの審査は、
契約者本人のみについて行われ、住宅の名義も契約者のみとなります。
借入可能額は、契約者の年収に応じて決まり、配偶者の年収は加味されません。
そのため、住宅購入後の家計では、
住宅ローンに関与していない配偶者の収入がそのまま家計のプラス分になります。
その一方で、単独契約者の年収によっては、
希望通りの金額を借りられない、審査に通りづらい等のデメリットがあります。
ただし、単独契約者に万一のことがあった場合は、
住宅ローン契約者が加入を義務付けられている
団信(団体信用生命保険)によって、住宅ローンの残高はゼロになります。
住宅ローン契約に必要な諸費用も一人分ですむため、
万一のリスクに備えやすい点は単独ローンの大きなメリットと言えるでしょう。
●単独ローンのメリット
・返済時のリスクを抑えられる
・契約者に万一のことがあった場合、住宅ローン残高がゼロになる
・住宅ローン契約時の諸費用が1名分ですむ
●単独ローンのデメリット
・夫婦の収入を合わせた場合よりも借入額の上限が低くなる
・単独契約者の年収が低い場合は審査に通りにくくなる
・住宅ローン控除やすまい給付金が契約者1名分しか適用されない
◆②ペアローンのメリットとデメリット
ペアローンとは、共働き夫婦がそれぞれに
住宅ローン契約を締結し、自分が借りた分の返済義務を負いつつ、
相手の連帯保証人になる方法です。
ペアローンを組む際は、夫婦ともに住宅ローンの審査に
通過する必要があることから、原則的に夫婦のそれぞれに
定期的な収入が必要になります。
また、住宅購入資金を負担した割合に応じて、
住宅の名義も夫婦で分割するケースが一般的です。
ペアローンのメリットは、借入可能額を増やせる点です。
また、夫婦それぞれが住宅ローンを組むため、
住宅ローン控除やすまい給付金、団信も夫婦ともに対象となります。
ただし、契約時にかかる諸費用が2人分かかるほか、
夫婦どちらかが審査で落ちた場合は住宅ローンを組むことができません。
また、団信が夫婦で分かれているため、どちらかに
万一のことがあった場合も、遺されたほうは、
引き続き住宅ローンを返済していく必要があります。
離婚により婚姻関係を解消したあとも、やはり住宅ローンの返済義務と、
相手への連帯債務は残るため、ペアローンを一本化するなどの手間が
発生する点にも注意しましょう。
●ペアローンのメリット
・借入額の上限をあげられる
・住宅ローン控除・すまい給付金を夫婦ともに受けられる
・夫婦それぞれが団体信用生命保険に加入できる
●ペアローンのデメリット
・住宅ローンの諸費用が2人分かかる
・住宅ローンの審査に一方が通らければ夫婦とも住宅ローンを組めない
・夫婦どちらかに万一のことがあった場合ももう一方の住宅ローンは残る
・離婚した場合はローン契約を一本化しないと、家を出た側にも返済義務と連帯債務が残る
◆③収入合算のメリットとデメリット
収入合算とは、ペアローンと同じく夫婦の収入を
合わせることで借入可能額のアップを目指す方法です。
ただし、契約者が2人になるペアローンに対し、
収入合算の場合は、契約者(主たる債務者)は夫婦のどちらか1人のみです。
契約者でない夫婦の片方は、契約者とともに債務の一部を負います。
負担する債務の範囲によって「連帯保証型」と「連帯債務型」の
2種類に分かれる点には注意が必要です。
●収入合算[連帯保証型]のメリットとデメリット
連帯保証型は、民間金融機関で住宅ローンを組む際の
収入合算で提案を受けることが多い方法です。
契約者(債務者)でない夫婦の一方は「連帯保証人」となり、
契約者の住宅ローン返済が困難となった場合にのみ返済義務を負います。
連帯保証人は、債務者とは異なるため、団信への加入や、
住宅ローン控除&すまい給付金の適用は受けることができません。
住宅の名義も原則的には債務者のみとなります。
ただし、住宅ローン審査では、連帯保証人の年収・年齢・健康状態なども
対象となるので、借入可能額を計算する際には
上限額がアップする可能性が高いでしょう。
また、単独ローンと同じく、契約時の諸費用は1人分ですみ、
契約者の万一の際も団信の適用によって残債がゼロになるメリットがあります。
●収入合算[連帯債務型]のメリットとデメリット
連帯債務型とは、おもにフラット35の収入合算で採用される方法です。
夫婦のうち年収の高いほうが契約者(主たる債務者)となり、
もう一方も「連帯債務者」として債務を負います。
借入額のうち、どちらが何割を負担するかを決め、その割合に応じて
住宅の名義も分け合うことになります。
連帯債務型のメリットは、連帯債務者のほうも
住宅ローン控除やすまい給付金の対象となる点です。
団信は対象外ですが、フラット35「デュエット(夫婦連生団信)」を
利用すると、連帯債務者のほうも団信に加入できるようになります。
注意点としては、ペアローンと同様に、住宅ローンの負担割合と
住宅の名義の割合(持ち分割合)がずれていると、
贈与税の対象となりやすい点です。
夫婦の収入に応じて適切な割合に設定しましょう。
◆まとめ
共働き世帯が一般的になった現在、住宅ローンの組み方も
「夫婦の収入によって借入可能額をアップさせる」方法が一般的になりました。
希望のマイホームを手に入れるための選択肢が増えるのは
良いことである一方で、単独ローンと、
ペアローンや収入合算のどちらが良いのか迷っている方も多いでしょう。
夫婦の片方のみで審査が通るようであれば、
住宅ローンは、最初に単独ローンを検討する方法がおすすめです。
理由は、「転職・退職」「離婚」「死別」の3大リスクに備えるためです。
転職によって収入が減少するケースや、出産・育児などのライフイベントを機に
退職するケースも決してめずらしくありません。
また、離婚についても、結婚する夫婦の3組に1組が
離婚をしているとのデータもあり、まったくの他人事として
しまわないほうが無難でしょう。
夫婦で住宅ローンを組み、それぞれに債務や住宅の持ち分があると、
収入が減少したときや離婚して他人となった場合にも
住宅ローンの支払いが発生することになり、離婚時の財産分与でも
揉める可能性が高まります。
ただし、単独では住宅ローンの審査に通りにくい場合は、
配偶者とあわせて借りる方法も有力選択肢となります。
住宅ローン控除・すまい給付金といった住宅購入のための補助制度も
夫婦2人分利用することができるので、メリットは決して少なくありません。
今回ご紹介した単独ローンとペアローン、収入合算それぞれの
メリット・デメリットをしっかり把握した上で、
ご自身のライフスタイル、ライフプランに合った
住宅ローンの組み方を見つけましょう。
それでは、また!!